胸の脂肪注入について(コンデンスリッチ豊胸、ピュアグラフト豊胸)

胸を大きくする方法の中でも、ご自分の脂肪を吸引して、ご自身の脂肪を胸に注入する脂肪注入の手術は、
患者様にとっても安心感があり魅力がある治療のようです。その為、沢山のご相談が寄せられます。
又、そういった患者様たちがインターネットで情報を収集していると、
必ず目に触れるのがコンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸です。

今回の診療日記では胸の脂肪注入からコンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸について解説していきたいと思います。
はじめに結論を申しますと、従来の脂肪注入に比べて、コンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸の効果が高いという事はございません。
今月だけでも、他院でコンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸を行ったにもかかわらず、
十分な満足を得られなかったという患者様が多数来院されています。

脂肪注入による豊胸で問題となるのは脂肪の生着率になります。
注入した脂肪が全部生着するわけではなく30~40%程度の脂肪しか生着しないため、
実際のボリュームアップとしては半カップ~1カップ位が平均といえます。勿論個人差もあり、
生着が良く2カップアップする患者様もいらっしゃいますが、あくまで個人差です。
従来より、この脂肪の生着率を上げるための様々な工夫がおこなわれてきました。
しかし学問上で研究されている段階で、実際の臨床上では明らかな成果はまだ出ていないというのが現状です。

コンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸というのは、吸引した脂肪から純粋な脂肪のみを抽出するために、
不純物を取り除いたり濃縮したりする工程をおこない、良質な脂肪のみを注入することで生着率を上げるという事を目的としています。
しかし学会の論文では以下のようなデータも報告されています。
通常の脂肪注入、コンデンスリッチ、ピュアグラフトをそれぞれ行った後にCT、MRIで診断し比較したところ、
生着に大きな差は見られなかったという事です。

しかし、患者様がインターネットなどで調べていると、
生着率を上げるコンデンスリッチ豊胸やピュアグラフト豊胸などが、あたかも凄い効果のように宣伝されています。
こういった事が起きる背景には、美容外科が商業主義に走りすぎている事が原因だと思います。
豊胸に限らず、美容外科業界は商業的な要素が強く、なんでもない治療をあたかも効果の高いなどというような宣伝をして、
高額な料金を請求したりするケースが後を絶ちません。
脂肪吸引であればベイザー脂肪吸引、アンチエイジングでは糸の手術、二重では独自の○○法などがあげられます。
胸の脂肪注入では、少し前までは幹細胞注入が宣伝されていましたが、今ではコンデンスリッチ豊胸、ピュアグラフト豊胸が宣伝されています。
今後、また新しい治療がでれば宣伝されるでしょう。しかし、従来から効果は殆ど変わっておりません。
最新治療という名のもとに多額の治療費を支払う患者様にすべてのしわ寄せが行きます。
又、過大広告による患者様の期待も大きいため、クリニックも無理をしてしまい、
守らなければいけない注入量をこえて大量に脂肪が注入され、シコリや感染に繋がっているケースも、よく耳にします。完全な悪循環といえます。

業者やクリニックが利益を得るために、このような風習は今後もなくなっていかないと思います。大事なのは患者様が少しでも正しい情報を入手して治療法を選択するしかありません。

最後に、当院が胸の脂肪注入で大事としている事を述べさせていただきます。

①新鮮な脂肪を注入する
吸引した脂肪はすぐに注入しないと死滅していきます。
いかにフレッシュな脂肪を注入するかが大事になります。

②脂肪の保管温度は4度に保つ
どうしても吸引して脂肪を注入するためには一定の時間が空きます。
この時間のあいだ、脂肪をフレッシュに保つための最適温度は4度とされています。

③大量の生理食塩水で丁寧に脂肪を洗浄する
吸引した脂肪には血液も含め不純物も混じっています。
正直、丁寧に洗浄してあげることで、コンデンスリッチやピュアグラフトとの差異はないのではと思います。

④患者様に正しい情報を伝えて、患者様と計画を立てる
脂肪注入の手術は吸引する脂肪さえあれば何回でもできます。(現実的は2~3回まで)

“当院の脂肪注入についてはこちら”

1回の脂肪注入で生着するサイズアップが半カップ~1カップでも2回注入すれば1カップから2カップのサイズアップが見込めます。

コンデンスリッチやピュアグラフトなど、広告上で聞こえの良いものは沢山あります。
しかし、大事なのは患者様の見えないところでの工夫の積み重ねによるものだと思います。
水の森美容外科では、今後も患者様の立場に立って正しい情報をお伝えしていこうと思います。